大好評公開中の映画、踊るプロジェクト最新作「室井慎次 敗れざる者」「室井慎次 生き続ける者」。大仙市出身の俳優、柳葉敏郎さんが主演を務め、仙北市で行われた撮影では、かくのだてフィルムコミッションがロケ支援に携わりました。
10月11日に公開された前編の「室井慎次 敗れざる者」は公開から2週連続で興業成績が第1位となりました。観客動員数全国1位がTOHOシネマズ秋田、2位がイオンシネマ大曲ということから、11月15日に公開された後編の「室井慎次 生き続ける者」は、全国に先駆け、秋田県内で8日から先行上映されました。秋田県民の関心度の高さと地元で撮影された映画を応援しようという気持ちの現れを強く感じました。
かくのだてフィルムコミッションは、昨年の8月からロケ支援を行いました。そのひとつがロケ地の提案です。主人公の住まいの候補地であった市内の民家には、家財道具を一旦撤去し、ロケ撮影後に現状回復することの承諾までいただいておりましたが、採用に至りませんでした。実はロケハンや企画の段階で、様々な状況から秋田での撮影が一度は白紙になり、残念に思っていました。ところが柳葉さんの秋田で撮りたいという熱意で昨年12月に撮影計画が再開。仙北市、大仙市、秋田市、男鹿市でのロケ撮影が決まりました。ロケ地に選ばれたからには、しっかり責任を持って支援しようと思いました。
仙北市のロケ撮影は、2月に始まりました。柳葉さんの母校である角館高校では、校内に大がかりな撮影機材がセットされ、多くの生徒にエキストラとして出演の協力をいただきました。声優志望の生徒は実際のロケ現場を目の当たりにし、感激していました。柳葉さんは撮影出番がないにも関わらず角館高校を訪れ、若手俳優を励ましていました。私は柳葉さんと挨拶を交わし、高校の2学年後輩であること、柳葉さんが高校時代下宿していた大家が義母であることを伝えると照れくさそうにしていました。柳葉さんは「地元で撮ることになって熱くこみ上げるものがある」と話し、私は「地元愛が強く感じられて嬉しいです。全力で協力させていただきます」と答えました。柳葉さんは帰り際に生徒たちを集めてロケに協力してくれた感謝の気持ちを伝え、これからの将来について激励していました。その様子を見て私は今まで以上にロケを成功させようという気持ちを強くしました。
角館の横町橋では約80名のロケ隊が陣取っていたので、市民の方も興味津々の様子で通りすぎて行きました。何のロケ撮影かと聞かれても、まだ公表できないもどかしさがありました。桧木内川堤上空からの撮影では、点にしか見えないほど高く上がったドローンでどのような映像が撮影されているのか、とても楽しみでした。劇場のスクリーンには今まで見たことのない風景が広がっていて感動しました。4月の2回目の角館高校でのロケ撮影の際も、出番がなかった柳葉さんとプロデューサーの亀山千広さん(元フジテレビ代表取締役社長、現BSフジ代表取締役社長)がロケ現場を訪れ、この映画への意気込みを強く感じました。
私も高校3年生の時に映画「思えば遠くへ来たもんだ」にエキストラで協力したことがあり、今でもその時の事が強く心に残っています。今回エキストラとして参加した生徒たちも、柳葉さんの言葉や行動、みんなで食べた「ロケ弁」のこと、プロの仕事の様子を見るなど、貴重な体験となったことでしょう。高校生を始め、多くの仙北市民の皆様にロケにご協力いただき、本当にありがとうございました。ぜひ劇場で迫力ある映像をご覧下さい。この映画が皆さんの記憶に残ることをお祈りいたします。
会長 坂本 洋
高校生たちは何の撮影か知らされていなかった
雪を運び込んで撮影された横町橋